【コラム】地球温暖化のお話(27)コロナに続くもう一つの危機

石津 顕

コロナ肺炎が流行して地球規模での大きな危機になっています。流行は収束する気配がなく、どこまで広がるのか不安な毎日ですね。
そこへ新たな危機のニュースが入ってきたので、予定を変更してお話しします。
その危機とは—バッタ。な~んだバッタかと思われるでしょうが、実は大変なことなのです。
東アフリカで大発生したバッタの大群が、海を越えて中東、さらに中国西部やインドに接近しています。
各地で農産物を食い荒らしており、国連の食糧農業機関(FAO)はその大発生の規模を「70年に一度」のものと表現しています。
3月8日にはパキスタンに到達し、農業に壊滅的な被害が出たとの報道です。
中国政府は3月1日、地方政府にバッタの襲来に備えるよう通達しましたし、2月末から西隣のパキスタンにも、バッタの大群による農作  物などへの蝗害(こうがい)を防ぐための専門家チームを派遣しているそうです。
このバッタは乾燥地帯に暮らすサバクトビバッタで、
日本にはいない種類ですが、集団で行動するようになると、風に乗って1日に100〜200キロも移動しながら、行く先々で穀物や果物を食い荒らします。
その大発生は、新型コロナが問題になり始めた同じころに始まり、今年(2020年)2月、東アフリカのソマリア政府はバッタの発生で食糧危機が発生しつつあると緊急事態を宣言しています。ソマリアでは25年、隣国ケニアでは70年に一度の危機としての緊急事態宣言だそうです。
サバクトビバッタはこれまでにもしばしば大発生してきましたが、今回の場合、昨年末に東アフリカ一帯で雨量が多かったことが原因とみられています。これが地球温暖化の影響によるものかは、今研究中だそうで、サバクトビバッタが日本にまで飛来してくる可能性は現在は判りません。
しかし、今回の大発生は食糧不足に拍車をかける人道危機であるだけでなく、日本にも直接かかわりが大きいのです。アジアは日本経済と緊密に結びついており、バッタの被害によりこの地域でいろんな物の生産が滞れば、新型コロナでダメージを受けている日本の経済は今よりさらに打撃を受けることになります。 しかも今年は各国ともコロナの対策に追われているのと、防除に費用を回す余裕がないのが深刻な問題です。

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