【コラム】オオムラサキ 26回目;2020-2月号

兵庫丹波オオムラサキの会  会長 足立 隆昭

先月は「なぜ幼虫で越冬する生活サイクルを選ぶのか」について考えました。
今月はそれにはどんな工夫をしているか考えます。

① 成長速度と脱皮回数を調整

越冬中のオオムラサキ4齢幼虫は休眠しています。
オオムラサキは成虫羽化期間が6月中旬~7月上旬、約1か月間あり、交尾産卵孵化期間に1か月の差があります。1齢・2齢・3齢・4齢と進みますが4齢にはほぼ一斉に進みます。
それは3齢幼虫時に成長速度を調整し、4齢越冬幼虫に変わる時期を決定します。
その調節は日長時間を感知する方法で行われます。『日長の長い時は成長を遅らせる:即ち速く(日長が長い時)3齢になった個体は成長を遅らせる』(光周性)
私は確認していませんが、稀に5齢幼虫の越冬が見られるようです。

② 体型と体色の変化

冬は緑から枯葉へ、また低温・乾燥と生息環境が大きく変わります。身を守るために角を短くし、皮膚を褐色に変え、皮膚を厚くして防御します。
さらに血中の糖度を夏の約5倍に上げ体が凍らないようにします。

③ 地上で越冬

オオムラサキは適度な湿度を求めて必ず地上に降りて越冬する。
コラム、オオムラサキ20回の「秋の幼虫のまとめ」も参照してください。

参考文献

チョウの生物学 東京大学出版会
日本の里山と国蝶の生活史 信濃毎日新聞社
神戸大学農学部 昆虫分子機能科学 論文

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