【コラム】再生可能エネルギー(4) 変形できるソーラーパネル

石津 顕

シリコンを使ったソーラーパネルは、たくさん使われていますが、まだまだ高価で、発電コストも割高です。安価で安定したソーラーパネルができれば、もっと多くの場所に使われて、電力も安価になり、地球温暖化にも歯止めがかけられます。
現在、安価なソーラーパネルとして期待されているのが色素増感ソーラーパネルです。これは透明基板の表面に、有機色素を吸着させた二酸化チタンの微粒子を付着した電極と、白金や炭素などの対極の間にヨウ素溶液などを充填した、比較的簡単な構造と材料からできています。

このパネルは安価な材料と簡単な製造方法でできるのが大きな特長です。また、室内光や朝夕の弱い光や日陰でも発電できる特長もあります。透明フィルムを使えば、写真のように、曲げられるので曲面の個所にもつけられ、衣服に着けて携帯型の電子機器の電源としての用途もあります。常に動かし続けなければいけない医療用電源などにも使われるかも知れませんね。

安価な太陽光発電パネルとして土地代の安い広い場所、例えば中国西部のタクラマカン砂漠などに設置すれば大電力発電所になるでしょうね。発電した安価な電力を輸入するということも将来あるかも知れません。ただ中国西部の砂漠は砂嵐がひどく、シルクロードに栄華を誇った楼蘭王国のように砂に埋まってしまう危険性がありますね。
シリコン系と今回の色素増感の簡単な比較表がありました。この表の中で、シリコン系のアモルファスが現在の主力です。これからは有機系の色素増感系の開発が進んで、次第に増えていくと思います。安価な太陽光発電が普及すればいいですね。
ところで、太陽光発電の有望なことを書きましたが、大変心配な記事を見つけたので紹介します。北関東のある県の山中に大規模な太陽光発電設備メガソーラーが建設されたのですが、広い山林を伐採して作ったために、土砂が谷川に流れ込んで、棲んでいた渓流魚のイワナ・ヤマメが死滅してしまったというのです。
もう一つ心配なこと、太陽光発電パネルは耐用年数が20年です。寿命が尽きた時に、巨大な設備が放置されたままになると、大変な産業廃棄物が取り残されてしまいます。
太陽光発電は再生可能エネルギーとして期待され、建設が進んでいますが、逆に環境破壊にならないよう考えて進めることが大事ですね。