【コラム】猪名川アラカルト第15回 水質階級Ⅱ級の指標生物:カワニナ類 よく先端が欠けています。

川西市域・猪名川の自然と生きもの「人・くらし・自然」
環境省 環境カウンセラー 牛尾 巧

カワニナのなかまは、日本では18種いるそうです。全国に分布し、少し栄養分を含んだ流れのあるややきれいな川や水路、池などに見られます。動いた後には、筋〔すじ〕が残ります。歯舌を使って、石の上にはえている藻類などを削り取って食べます。汚染の進んだ河川などでは生息できません。ゲンジボタルの幼虫のエサとして知られ、たくさん集まって棲む群生をなします。近年、環境汚染によりホタルとともに減少しつつあります。川西市域の支流や川西北小学校前の水路には多くのカワニナが生息しています。
水質の悪化や高水温には弱く、溶存酸素の豊富な水質を好みます。タニシなどと同様に雌雄異体で交尾により受精し、メスは卵胎生で、卵を体内で育てて稚貝〔2mm以下〕を産み出します。自然環境下では春から秋にかけての暖かい季節に稚貝を産みます。カワニナは、年間で800~2,000個体の稚貝を生みます。

カワニナ類の貝殻は、ほとんど先端が欠けています。なぜでしょう?

カワニナ類に限らず、貝類の殻は、炭酸カルシウム〔CaCO3〕という物質でできています。炭酸カルシウムの殻は、水の酸性度が高くなると、水に溶けてしまいます。
海水より淡水のほうが酸性になりやすく、カワニナやタニシなどの巻貝、マツカサガイ・シジミなどの二枚貝、これら淡水の貝殻が溶ける危険性は高くなります。そこで、淡水の貝類は、殻皮〔かくひ〕という貝殻を覆う蛋白質の皮を編み出し、これで保護し、殻が溶けないようにしています。
カワニナ類のような、小さな貝殻の先端部分は、保護しきれず、溶けてなくなりやすいので、カワニナ類の殻は、先端が欠けることが多いのです。